日本一のヴィンテージと、和歌山の温かさを。 「伝説のホテル」でソムリエが守り、新たに広げていくもの。

日本一のヴィンテージと、和歌山の温かさを。 「伝説のホテル」でソムリエが守り、新たに広げていくもの。

スタッフインタビュー

ホテル川久
ソムリエ/ T.Mさん

和歌山県出身。星付きレストランの系列店での勤務を経て、現在は「ホテル川久」に在籍して10年以上。レストランにおけるワイン・飲料部門のスペシャリストとして、他では目にすることのできない希少なヴィンテージワインの管理から、和歌山らしい温かみのある接客サービスまでを幅広く担当する。

ーーーホテル川久に入社するまでの経歴と、この場所を選んだ理由を教えてください。

 ホテル川久に来る前は、ミシュランガイド東京にて星を獲得したフレンチレストランの系列店で約2年間働いていました。そこは「東京の流儀」をそのまま持ち込んだような厳格なお店で、非常に規律に厳しく、常に神経を張り詰めて仕事をしていました。その後、ホテル川久に入社し、気づけば10年以上が経ちました。ホテル川久には肩肘張らない「心地よさ」があり、和歌山らしい温かさやフレンドリーな空気感が根付いていると感じています。

 

 

ーーーソムリエとして感じる、ホテル川久のワインリストの凄みは何ですか? 

 間違いなく「ボルドーのオールドヴィンテージ」の品揃えです。これに関しては日本一と言っても過言ではない環境があります。以前、都内にある世界的に有名なグランメゾンで副支配人をされていた方がこちらに来られた際、「これだけのワインはうちでも扱っていない」と驚かれていたほどです。100年前のワインなど、東京のレストランであれば価格が跳ね上がるような希少なボトルも、ここでは比較的お楽しみいただきやすい価格で提供しています。他では手に入らない、歴史的な価値のあるワインに日常的に触れられることは、ソムリエとして非常に大きな魅力です。

 

 

ーーーこれまでのホテル川久でのキャリアの中で、最も感動したワイン体験を教えてください。 

 1900年の「シャトー・マルゴー」を味わった時です。120年という時を経た伝説的なワインであり、そう簡単に口にできるものではありません。コルクを抜いた瞬間、それほどの年月が経っているにもかかわらず、驚くほど力強く、若々しい味わいだったことに衝撃を受けました。ワインが持つ生命力と歴史の重みに心の底から感動した、忘れられない体験です。

 

 

 

ーーー接客をする上で、ご自身が大切にしている哲学はありますか? 

「しっかりした中にも、いかにフレンドリーさを織り交ぜるか」です。ホテル川久にいらっしゃるお客様はクオリティへの信頼が高いため、プロとしてのしっかりとした対応は必須です。しかし、ただ堅苦しいだけでは和歌山の良さが伝わりませんので、神経質な完璧さよりも、お客様との距離感を大切にし、柔らかい雰囲気を感じていただけるような対応を心がけています。スタッフにも言葉遣いなどは指導しつつ、人間味のある温かいサービスを目指しています。

 

 

ーーー建物の豪華さが有名なホテル川久ですが、最近では変わった楽しみ方も増えているそうですね。

 はい、実は最近「コスプレ」の撮影スポットとしても注目されています。私がコスプレをするわけではないのですが(笑)、重厚な内装や絵画のようなロビーは写真映えするため、コスプレイヤーの方々が撮影にいらっしゃいます。昨年あたりから増え始め、平日でも賑わうことがありますね。歴史ある建物が、新しいカルチャーと結びついて活用されているのは面白い現象だと感じています。

 

 

 

 

ーーー今後の目標や、挑戦していきたいことはありますか? 

「パンダに頼らない、和歌山の深い魅力を発信すること」です。“白浜といえばパンダ”でしたが、パンダがいなくなってしまった今、それ以外の観光資源をアピールする必要があります。 私の専門である飲料の分野で言えば、やはり「地元の日本酒」です。「平和酒造」さんのような全国的に有名な酒蔵だけでなく、まだあまり知られていないけれど、手に入りにくくて美味しい地酒がたくさんあります。そういった隠れた名品や、熊野古道、温泉といった地域本来の資産を、県外のお客様に向けて積極的に発信していきたいと考えています。

 

この記事をSHARE